どのような「長期戦略」の策定が必要なのか?

第Ⅳ章 繁栄のピラミッドの構築⑥
《「長期戦略」の策定》

検討・策定する「長期戦略」の中身は商品戦略、商圏戦略、顧客戦略、人材戦略、営業戦略、サービス戦略などがあります。戦略という言葉を使いますが、難しく考える必要はありません。簡単にいうとすでに策定を完了した「経営理念」と「長期構想」、特に「長期構想」の達成への方策を大きなくくりで検討することです。

・商品戦略‥現状の取組み商品を分析し、今後取組む商品の方向性を検討する
・商圏戦略‥現状の顧客数・顧客分布を確認し、今後の商圏の深耕・拡大策を検討する
・顧客戦略‥現状の顧客単価等を分析し、ランクアップ策、囲い込み策を検討する
・人材戦略‥従来の発想にこだわらず、新人材の採用・育成策をも検討する
・営業戦略‥訪問での接点強化策やDBMの推進・強化策を検討する
・サービス戦略‥顧客サービスの幅の拡充・質の充実策を検討する

「経営理念」および「長期構想」の内容・数値によって戦略も幅と内容が異なることになります。上記例の中で自社にとって不要な(無理な)戦略、逆にこれらとは別に新たに追加すべき戦略があるかもしれません。ただいえることはほとんどの地域店は「現状の維持・踏襲」では「経営理念」に沿った活動、「長期構想」を実現できないばかりではなく、現状の維持も難しくなる可能性があります。
すでに国内の人口の減少が始まり、まだ増加している世帯数も間もなくといった状況です。同時に高齢者世帯、そして高齢者のみ世帯、高齢者の単身世帯が増加していきます。すでに商圏内人口・世帯数の減少に直面している地域店もあります。このような会社の後継者からは「うちでは長期的なことは考えられない」という声を聞くことがあります。だからこそ「長期戦略」の策定し、現状からの脱皮が必要なのです。

図Ⅳ-6-1は長期戦略策定のための環境の変化、そして図Ⅳ-6-2は検討内容(戦略)の例です。参考にして自社の長期戦略を策定してください。

(図Ⅳ-6-1「長期戦略」検討の条件(環境の変化))

(図Ⅳ-6-2「長期戦略」策定での検討戦略(例))

(次回に続く)