「長期計画」は長期戦略の推進計画です

第Ⅳ章 繁栄のピラミッドの構築⑦
《「長期戦略」から「長期計画」の立案へ》

「繁栄のピラミッドの構築」での(下から)三段目は「長期計画」の立案です。「計画経営」では5年を単位とする計画を「長期計画」、3年ならば「中期計画」と呼んでいます。「中期計画」では現状踏襲、積上げ方式に陥りがちになるため「長期計画」の立案をお勧めします。「環境の変化が激しい時代、「長期計画より中期計画」という声があります。環境や条件が大きく変化した、あるいは計画と実績に大きな差が生じた場合は再立案すればいいだけの話です。その「長期計画」は「事業方針」と「経営計画」で構成されます。図Ⅳ-7-1は「繁栄のピラミッドの構築」の「長期計画」までのフロー図です。

(図Ⅳ-7-1 「長期戦略」策定までの「繁栄のピラミッドの構築」のフロー図)

「事業方針」策定は「長期戦略」で決定した各戦略を今後5年間に実施することを年度ごとに割り当てる作業です。前記の通り「中期計画」ではなく「長期計画」にした意義は脱:現状踏襲、脱:積上げ方式ということです。現状踏襲や積上げ方式では「これも無理」「あれも無理」となり、「長期戦略」で策定した各戦略は「絵に描いた餅」で終わってしまいます。

日常的にはあまり意識せず「事業」と「経営」という言葉を使っていますが、ここで改めてその違いを再確認します。日々の業務の中で厳密な区別はできませんが、「事業」とは「投資により会社の経営資源を創る」こと、そして「経営」とは「経営資源を活用して投資を回収する(業績を挙げる)」ことをいいます。

「長期計画」は今後5年間の「事業=投資」を決め、その結果会社で獲得した経営資源を活用して「経営=回収」する計画なのです。
図Ⅳ-7-2は「事業方針」と「経営計画」の関連図です。

(図Ⅳ-7-2(長期)事業方針」と「(長期)経営計画」の関係図)

(次回に続く)