「長期構想」は繁栄への羅針盤です

第Ⅳ章 繁栄のピラミッドの構築④
《「経営理念」と「長期構想」の策定》

「経営理念」(ポリシー)とともに「繁栄のピラミッド」の基礎(土台)になるのは「長期構想」(ビジョン)です。事業を継承(承継)した時、「将来はこのような会社になっていたい」ということを売上規模や顧客数、社員数、店舗数などで将来の会社の姿を頭に思い浮かべてみます。それが「長期構想」で今後の会社の羅針盤(=道しるべ)、同時に経営者・奥様を含む全従業者の共通目標となります。

「長期構想」の策定には達成する期間あるいは時期が必要です。その期間は任意ですから、判りやすい10年先とか、20年先でも構いません。あるいは経営者自身にとっての節目の年齢、仮りに「50歳」という設定も考えられます。そして内容は小売店にとっては売上高がもっとも判りやすいのは事実ですが、別の表現として10年後には「地域Number Oneの店」の地位の確保、そしてその姿を数値で表すこともできます。

「経営理念」では「お客様にとってのOnly Oneを目指す」と謳い上げ、「長期構想」では「地域店としてNumber Oneを目指す」としている地域店もあります。

「地域店としてNumber Oneを目指す」のみでは抽象的で目標にはなりませんので中身を詰めます。例えば10年後には「地域店としてNumber Oneを目指す」ために「4つの挑戦」を設定します。
①稼働客数2倍への挑戦
~既存客の維持と新規増客、他店客継承により(年間)稼働客数を2倍にする~
②客単価1.5倍への挑戦
~顧客のランクアップと新規分野の強化で客単価を1.5倍にする~
③売上高・粗利額3倍への挑戦
~売上高・粗利額3倍を実現する~
④同志(パートナー)2倍への挑戦
~待遇の改善を進め従業者数を2倍にする~

「長期構想」は経営者と従業者との共通目標です。「目標」ですからどのような内容にするかは貴方の自由です。図Ⅳ-4-1は「時代背景」、図Ⅳ-4-2は「検討内容」です。

(図Ⅳ-4-1「長期構想」を策定する際に参考にしたい「時代背景」)

(図Ⅳ-4-2 「長期構想」(ビジョン)の「検討内容」)

(次回に続く)