2024年2月の重点活動 「ニッパチ」の2月だが、損益分岐点売上高の確保を‥

まだ寒い日が続きますが、4日は「立春」、暦のうえでは春を迎えます。とはいえ受験生にとって2月は緊張が続く毎日、そして「花粉症」の方にとっても厳しい月です。家電品の国内出荷(23年)も「厳しい」結果が出ています。冒頭ですが、次の質問にお答えください。

□昨年、国内への出荷台数が前年より伸びた家電品はいくつあったでしょうか?。
□伸びた家電品名をできるだけ多く挙げてください。

◆2月は顧客接点を拡大しつつも収集情報の幅を拡大

前の質問の正解は「ひとつ」と「ヘアドライヤー」です。関連工業会が発表した昨年の家電品の国内出荷は台数面ではヘアドライヤーを除くと全商品が前年割れというのが実態です。金額面では価格改定(値上げ)が貢献、前年をクリアした商品がいくつか見られるものの、国内の家電品市場が「縮小時代」に入ったと見るのが妥当なようです。

前月、1月は業界内そして地元の町内会・自治会などの行事が多く落ち着かない月でしたが、今月からは本格的な営業活動を展開することが求められます。しっかりとした方針を立案し、それを実践します。

例年2月には、そして今年も「エアコン点検・掃除訪問」を企画している地域店も多いようです。またお客様もそれを歓迎しているという声も聞かれます。エアコン販促策としても有効ですが、その効果、特にエアコンの見込み客の発掘効果は次第に低下しています。地域店のお客様の多い高齢者のお宅でのエアコン稼働台数が減少していることが理由と考えられます。効果を維持・拡大するには「エアコン点検・掃除訪問」の際に他の家電品の情報収集をする、住まいの困りごとも探るなどのための観察・対話の範囲拡大が大切です。

◆2月といえども赤字経営は厳禁

ニッパチは依然として残っています。2月は量販店は春の新入学・独り立ち需要獲得の春商戦で売上高を伸ばしますが、地域店は売上不振で苦しむ月です。ここ10年ほどは年末商戦のヤマが低くなり、2~3年は夏商戦にも同じ傾向が見られるようになりました。閑散月の欠損を年末商戦および夏商戦で穴埋めすることは困難というのが地域店の実態です。何としても毎月の損益分岐点売上高は確保が必要なのです。

今年の春の花粉の飛散を(日本気象協会、12月7日発表)では「2月上旬から九州、四国、中国、東海、関東甲信の一部で」そして「近畿、北陸、東北南部は2月中旬から下旬、東北北部は3月上旬から中旬に」開始すると予報しています。また飛散量は「例年(過去10年の平均)に比べると、九州から東北のほとんどの地域でやや多い」、また「北海道のシラカバ花粉は非常に多い見込み」ともいいます。

花粉シーズンに季節指数が高くなる商品は空気清浄機です。新型コロナウイルス騒ぎの3年間で「普及率が一段と向上した」、また家電量販店でも「よく売れた」のが実際ですが、普及率を見ると2020年3月末が44.6%、2023年3月末が45.1%(内閣府「消費動向調査」、二人以上世帯)とほとんど変化していません。売れたのは事実ですから「買替え、買い増し需要に支えられた」といった見方ができそうなのです。

布団や洗濯物の外干しも室内に花粉を持ち込む一因です。布団乾燥機、布団対応の掃除機、洗濯乾燥機も話題を展開しやすい商品といえそうです。洗濯乾燥機以外、地域店では積極的に取り組む機会が少ない商品です。地味ながら1台1台と実績を積み上げながら何としても損益分岐点売上高を達成しましょう。

◆今月の売上も大切、同時に中・長期戦略も‥

冒頭に触れた家電品の国内出荷(台数)の不振は全商品に及んでいます。このことは国内の家電マーケットの縮小の予兆と考えられます。人口のピークが2008年、すでに15年が経過しています。しかし世帯数は継続的に増加してきました。それがいよいよ減少の兆しが見えてきた昨今です。

今年は自店の3年先、5年先を考えるべき年、当月の売上高とともに中・長期の戦略も考えたいものです。

㈱コミュニティ・アドバンテージコミュニティ・アドバンテージ代表 妻木潔