【初級売り場担当者研修】家電量販店の店舗での「顧客接点」を最適化する

 家電量販店の店舗の問題点としてWeb販売のショールーミング化の進行が指摘されたことがありました。現状でも無店舗のWeb販売業者のショールームに利用されている面は否定できないもののこの議論はほぼ終焉しました。家電量販店自身が店頭販売とWeb販売の連動での業態開発を推進しているからです。とはいえ店舗への来店客にはWeb販売にはないより高い満足感を提供することが求められていることも事実です。同時に経営的には店舗、商品などへの多額な投資、人件費など経費を回収できる効率的な運営も求められています。この要請に応えるのが来店・入店客の視点と行動に合致した「顧客接点の最適化」による売上増進です。

 家電量販店の来店客・入店客の店舗(広義の「店舗」)との接点は「来店前の顧客接点」から始まり「入店時の顧客接点」があり、ここでお客様は入店します。ここから始まるのが「店内での顧客接点」です。売り場担当者にとって店内業務の中で「最適化」が求められる「顧客接点」です。「店内での顧客接点」は「商品との接点」「情報との接点」「店員との接点」があります。

 店舗での商品購入には「計画購入」「衝動購入」及び「関連購入」(広義の「衝動購入」に含まれる)の3形態があります。家電量販店は「計画購入」の構成比が高い業態で、売り場担当者にはその需要の確実な獲得が求められます。「顧客接点の最適化」ができないとせっかくの「目的来店客」を手ぶらで帰らせる、他店に追いやる結果になります。また構成比は低いのは事実ですが、低いからこそ伸ばしたいのは「衝動購入」「関連購入」の喚起・創造です。これらも「店内での顧客接点」の最適化で実現できます。
 
家電品需要は大きな伸びが期待できないと同時に、各店舗の商圏内での人口・世帯数の伸び悩み・減少が始まりつつあります。当社ではこれまで売り場担当者と来店客・入店客との顧客接点の最適化の検討・実践を販売現場でお手伝いしてきました。ここに家電量販店様の店舗・売り場担当者研修「初級」として「顧客接点の最適化研修」をご提案致します。

【中堅売り場担当者研修】「一を聞いて十を知る」担当者の育成

 有名なことわざ、「一を聞いて十を知る」。多くの小売店の管理・監督者が売り場担当者にこのことを求める。詳細な作業指示をしなければ実務を進めることができない担当者、そのために多くの時間と神経を使う。

 これらのことが発生する要因のひとつに店内用語の不統一あるいは無理解がある。例えば「商品回転率を高める」という会社の方針を売り場担当者に伝達するとき、商品回転率の意味と計算方法、その「高める」ための詳細な実践方法までの全てを売り場担当者に説明する、あまりにも時間がかかり、また徹底に神経を使う。この問題の事前解決策は商品回転率の意味と計算方法、そして「高める」方法を具体的に教えておく。そうすることで売り場担当者は会社の指示「商品快適率を高める」方針を売り場で実践できるのだ。

 多くの小売現場の指導を従事する中で当社のコンサルタントが管理・監督者の悩みを聴取したところ「指示を売り場担当者が実践できない」「毎回、詳細な進め方まで指示しなければならない」「その繰り返しで多くの時間を費やさなければならない」といった意見が多く出された。「売り場担当者にはキャリアや能力差がある。相手に合せての指示・指導・援助するが管理・監督者の仕事」と言ってしまえばその通りである。それでは組織改革、業績向上は進まない。

 そこで管理・監督者が指示の際に多く使う言葉(用語)を調査した。管理者・監督者から売り場担当者に分けて列記するとその数は意外に少ない。この言葉の意味と推進方法を徹底的に売り場担当者に教育をしたところ、彼らは指示の意味を理解するとともに自らの推進方法を考えるように変身した。まさに「一を聞いて十を知る」担当者育成に成功したのだ。

 言葉(用語)の種類は業種・業態、店舗規模などにより異なる。「指示を売り場担当者が実践できない」と悩む前に実践できるようにする教育に時間を割く、「急がば回れ」である。