2024年12月の重点活動 「新メディアミックス作戦」の展開で需要刈り取りを…
2024年、今年も最後の月です。売上実績の良否にかかわらず「せわしない」、アッという間に1ヶ月が終り、すぐに大晦日が到来します。「せわしない」月だからこそ全員の力を結集し、多面的な販売活動を展開することが大切です。そのひとつが「新メディアミックス作戦」です。
◆「アナログメディア」は「ついで提案」の徹底
「新メディアミックス作戦」とは自店が保有しているアナログメディアとデジタルメディアをフル活用して売上高を伸ばす作戦です。地域家電店の最大のアナログメディアは「人」です。先月の本稿で「ついで提案」の推進を提案しました。「せわしない」12月だから顧客接点は増加します。お客様をほぼ1巡するのがカレンダー配布です。
年末に季節需要が高くなる商品に掃除機があります。また地域家電店でもこのところ売上台数・金額が伸びている商品です。カレンダーの配布、その他発生処理訪問の際に掃除機の「ついで提案」を行います。
LED照明器具も12月に売りたい商品です。低価格化が進みお客様にとって「買いやすい値段」になりました。低価格化は売る側にとっては「1灯売っても‥」ということになります。ならば「2灯以上ならだんだん価格」とまとめ買いのメリットを打ち出す価格サービスという手もあります。
「アナログメディア」には郵便DMもあります。郵送料がアップしたため使いにくくなった面もありますが、年末・年始の営業日の案内を兼ねての商品案内をお送りします。コストが気になるならテレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンといった大型商品の見込み客に絞ることも考慮します。それぞれの商品ごとに、あるいは商品共通の《大晦日までの購入特典》を決めます。進め方は男性陣(営業担当)が名簿を作成し、女性陣(管理担当)が実務といった具合に役割分担も必要です。
◆「デジタルメディア」はLineの「友だち」に…
これまで本稿でも、あるいは各メーカーの地域家電店推進担当ではLineでの「友だち」づくりを勧めてきました。先行店では顧客の3分の1から4分の1程度のお友だちを獲得しているお店もあります。Line登録客名簿を活用して月々の情報提供を行っているお店も見られます。これならコストをあまり気にすることなく情報提供が可能です。
友だちの多くは店側からの一方的な売込み案内の送りつけを嫌がります。先進店の経験では月1回程度の情報提供あるいは用件発生時に連絡を取り合う(随時)程度ならお友だちも反発を持つことはないようです。12月は商売に活用させてもらいます。「買え買え」ではなく情報提供の形をとることをお勧めします。例えば「この年末のお勧め商品」ではなく、「2024年、当店で一番売れたテレビ」を紹介する、あるいは「当店のナンバーワン商品」といった表現で、小さく「年内お買い求めのお客様への特典」といった情報を掲載するといった手法も考えられます。
◆来年以降に備えて戦略を考える
今年の家電品の市場動向で特筆できることは、年末に近づきやや回復しているものの1家に1台の冷蔵庫と洗濯機が不振だったことです。4大商品で台数増が見られたのはエアコンのですが、これもエアコンの普及率・保有台数が低かった東北・北海道地区の貢献が主要因といわれています。テレビは台数で前年実績をクリア、そして大型化も進んでいますが、こちらは量販店のテレビ売り場での大型化誘導が功を奏していると見られます(メーカー筋情報)。
本稿でも度々指摘してきましたが、人口・世帯構造が大きく変化しています。すでに「人口の減少」は進んでいますが、「世帯数の増加」は続いています。この矛盾の要因は「(世帯当り)家族数の減少」と「単身世帯の増加」です。この次に到来するのは恐れてきた「世帯数の減少」です。家電市場の縮小はすでに始まっています。この1年を振り返り、2025年以降の戦略をも考えるのが12月の重要な仕事のひとつです。

