2024年5月の活動指針 高価格(高付加価値)機種の構成比を高める

先月のこの欄では主力商品のエアコンの実績(台数・金額)を伸ばすため、寝室の設置機種の買替え促進活動の強化を提案しました。就寝時の「エアコンの風嫌い」のお年寄りを意識した機種充実が進みつつあります。この機種を担ぎ、寝室に設置されているエアコンの買替えに挑戦します。ここ数年は気温上昇時期が「気まま」です。活動の前倒しがエアコン商戦の勝利のカギといえます。5月はエアコン商戦の最盛期です。

◆提案活動の「質」の向上で単価アップ

家電業界は厳しい状態が続いています。メーカー団体の各工業会の国内出荷実績(3月分まで公表)、また経産省の「商業動態統計」での家電量販店の商品販売実績(2月分まで公表=速報値)のいずれを見てもその厳しさを実感します。前者で今年3ヶ月間で台数が伸びた商品は掃除機、ヘアドライヤーなど中小型商品ばかり。いずれもが「地域家電店が弱い商品」です。また「商業動態統計」で家電量販店の2ヶ月実績(金額)で前年をクリアできたのはカメラ類と理美容家電の2分野。これも「地域家電店が弱い商品」です。このような数値が続いている背景には人口減・単身世帯増加といった日本社会の実態があります。そのうえ商品の性能(耐久性)の向上による買替えサイクルの長期化も加わっています。

このような環境下では長期的には「家電品にこだわらない」といった商品戦略の転換が、短期的には顧客内(家庭内)シェアと同時に商品単価の向上が求められます。今月の提案は商品単価の向上です。同じ台数でも売上高は伸びます。そのためには商品知識の強化と提案の「質」の向上が絶対的な課題になります。

◆「高付加価値機種」の提案ではでは電気代の削減と‥

エアコンの単価アップというと省エネによる環境貢献とランニングコスト(電気代)の削減のふたつの提案があります。特に電気代の削減が大きな武器といえます。5月は2023年1月から始まった国による電気代の補助金の半減、そして終了の月に当たります。6月から各家庭の電気代はビックリするほど値上げになります(値上がりします)。その面ではアプローチの絶好月です。しかし預貯金から自動引落しが多い電気料金、こちらから話題にしない限り気付くお客様多くないのです。

電気代は電力会社・契約プランと単価により異なり、さらに本来の電気料金に「燃料調整費」と「再エネ賦課金」が加算されるといった複雑な、判りにくい構造になっています。お客様に買替えによる電気代の削減の提案もかなり難しいのが実情です。そして「燃料調整費」は発電コストで増減、「再エネ賦課金」は今後どんどん増額されます。いずれもその金額は消費電力量に比例し決定されます。ある地域電気店店主が試算したところ取扱いメーカーの「普及型」と「高付加価値型」の売価差をカバーするのは10年は必要という結果が出たといいます。「選ぶ機種により電気代の削減額は異なるが、電気代の削減一本槍では厳しい」と語っています。

電気代の削減を提案の幹とすると搭載されている機能・性能の差による「価値提案」が枝・葉になります。幹の提案と枝・葉の提案を組合わせると「10年間で安い機種と最高級の機種と電気代はほぼ同額ですが、 実際にお使いいただくと‥。それを考えると‥」といった話法になります。

◆冷蔵庫の取組みも始めたい5月

猛暑の夏が到来します。高齢者は買い物回数を減らしたい時期です。また連日の猛暑の中で食品のいたみも速くなります。そして子息と子女が孫を連れて帰省、大型冷蔵庫が必要になります。同時に冷蔵庫の不調・故障が多くなるのが夏です。今月からは冷蔵庫の取組みも強化しましょう。
この3月の内閣府「消費動向調査」での2人以上世帯での買替え年数は14年です。他商品と同様にサイクルが長くなっています。冷蔵庫の取組みでの超えるべき最大の壁はこのサイクル(の短縮化)です。

まず、この夏に提案すべき顧客(買替え適齢期客)のリストアップです。購入後9年が目安です。ここで忘れてならないのが他店購入客(情報未保有客)です。地域家電店ではエアコンに次ぐ売上構成比の冷蔵庫です。確実に実績を稼ぐためには地味ながら情報収集から始めます。