稼働客数と稼働客単価から「可能売上高」を算出する

第Ⅳ章 繁栄のピラミッドの構築⑫
《「長期戦略」から「長期計画」の立案へ》

まず年度ごとの「可能売上高」について検討します。この売上高は「年間稼働客単価」と「年間稼働客数」によって決まります。計画立案の際に注意が必要なことは「年間稼働客単価」「年間稼働客数」とも毎年度、ゼロからスタートすることです。このことを軽視すると「可能売上高」ではなく「不可能売上高」に陥る可能性があります。

まず「年間稼働客単価」ですが、家電品販売店の年間売上高は7.5兆円をやや下回っていると推定されます。全国の世帯数が5千万世帯とすると全世帯当りの年間購入額は15万円弱になります。これに対して地域店の稼働客単価は約10万円といったところです。前者は「全世帯」、後者は「稼働客」です。計算基準が異なっており単純に比較できませんが、地域店では情報家電、中小型商品を主体に多くの「売り逃し」が発生していることが判ります。ともあれ10万円を基準に考えるのが妥当(無理がない)ということになります。この金額をベースにしつつ客単価向上のためのソフト業務(修理・軽工事)、住設機器・リフォーム、あるいは健康機器など関連分野・他分野商品の取組み強化など諸事業による成果予測を上積みします。「事業方針」でそれらのことが盛り込まれていることが条件になります。

他方の「年間稼働客数」の方は「地域店の壁」があります。主たる客層・高齢者から「面倒見がいい電気店」(高便利・高親切・高安心)との評価を得るためには営業担当者1人当り稼働客数は300世帯程度が上限になります。

(次回に続く)