その他の経営資源の充実も「事業方針」で‥

第Ⅳ章 繁栄のピラミッドの構築⑩
《「長期戦略」から「長期計画」の立案へ

「長期計画」の中の「事業方針」での大きな課題は前回の通り「客づくり」と「人材の採用・育成」です。次に地域店(地域家電店)で「事業方針」で取上げたいのが「顧客情報の充実」です。これまでも必要性は理解しつつも実践が伴わなかった分野です。

家電品の需要構造の特徴のひとつに買替えが主体ということがあります。別の表現をすると既存客の買替え需要を確実に獲得すれば一定の業績(売上高)を確保できることになります。同時にそれは既存客の維持にもつながります。さらに家電品の特徴として通常の使い方ならば買替えサイクルはほぼ10年ということです(最近はやや長期化)。「経年管理」での顧客情報の活用です。

自社で販売した自店で顧客情報管理システムに登録してあれば商品別の買替え期待客(買替え適齢期客)の抽出が可能になります。この「経年管理」による買替え需要の獲得活動は容易になりますが、実際に地域店の顧客情報をチェックしてみると主要商品でも意外に空欄が多いのが実態です。
その主な理由は‥
・販売時に顧客情報管理システムが未稼動であった
・稼働していたが、適切に(面倒なので)インプットされていなかった
・新しい顧客については当該商品は自店で販売していない
・自店客には間違いないが、商品によっては「浮気」をしている
‥などを挙げることができます。

こと家電品に限っても「事業方針」に「顧客情報の充実」を取上げ、同時に実践することが必要なのです。また「長期戦略」で「商品幅の拡大(住設・リフォーム)」を取上げているなら使用中の住設機器や住宅の情報も必要になります。

「客づくり」や「人材の採用・育成」そして「顧客情報の充実」の他にもすべき経営資源はあります。それらを「事業方針」に盛り込むようにします。
「事業方針」の立案の際には図Ⅳ-10を参考にして下さい。

(図Ⅳ-10「(長期)事業方針」の検討項目)

(図Ⅳ-10「(長期)経営計画」での設定数値)

(図Ⅳ-10「(長期)経営計画」での設定数値)

(次回に続く)