2020年1月16日は新型Coronaウイルス感染症の国内で初の罹患者が発生した日です。これを受けて28日には感染症法に基づく「指定感染症」(二類相当)に、そして検疫法の「検疫感染症」に指定され、翌月1日には実施に移されました。その後2月13日には国内初の死亡者が発生、わずか1ヶ月余り後の3月1日には約250症例(死亡6例)、その後10日間で新規感染者は約500症例にまで拡大しました。

この間、横浜港では豪華客船「ダイヤモンドプリンセス号」での、また札幌市では「さっぽろ雪まつり」での集団感染が発生しています。2月28日に政府は全国の小中学校に一斉休校を要請するにまで感染は拡大しました。以降、政府からは「緊急事態宣言」の発出・解除が繰り返され、また並行して「蔓延防止処置」も‥。

ようやく落ち着きを取り戻すことができたのは「マスク着用が任意」になった2023年3月13日、そして「指定感染症」での位置づけが(五類相当)になってからです。3年間を要したCoronaウイルスとの3年間に及ぶ闘いの中で消費行動、小売業、ビジネス行動など社会全体に変革を迫りました。

【社会の変化】

未知のCoronaウィルスは「未知」であるが故に行政は国民(消費者)、企業、スポーツ・芸能界等に厳しい対応を求めました。街中では大人・子供に関らずマスクを着用、そして帰宅すれば外出の際に身に着けていた衣類を脱ぎ、手を薬用石鹸で洗浄したものです。職場や学校ではデジタル時代に対応すべく「リモートワーク(在宅勤務)」や「オンライン授業」も提唱されました。このふたつは定着することなくPandemicの終焉とともに都市部では「通勤・通学地獄」が復活しました。
◇社会全体への要請(「人流の80%削減」)
・リモートワーク・オンライン授業の奨励
・不要不急の外出自粛
・外出時はマスクの着用、帰宅時は手指の洗浄
◇各種イベントは軒並み中止・延期・無観客開催
・プロ・ノンプロスポーツ大会の中止・延期
・高校球児の「甲子園大会」等の中止
・「東京オリンピック」の1年間の延期と無観客開催
◇「インバウンド需要」の消滅
・「検疫感染症」への指定対応で観光客激減(その後回復、現在は「オーバーツーリズム」)
・関連業界の売上高・利益額の激減、倒産・廃業の続出
◇高齢者・基礎疾患保有者対策の進展
・ワクチンの優先接種
・感染防止処置の徹底
◇政府(自治体)の緊急支援策の実施と不正受給事件
・不況対策として「持続化給付金」など支援策が展開
・「雇用維持」のために給付金支給
・その他の支援金の不正受給事件の続発
◇(Corona沈静化とともに)消費者を襲った物価高騰
・サプライチェーンの混乱
・原材料費・輸送費の高騰
・輸入品の高騰(円安の進行)
◇netでのentertainmentで危機脱出の試み
・感染症の拡大でコンサート、公演の中止・延期
・YouTube等を活用して無料・有料のコンサート・公演
◇Chat GTP(生成AI)の発表・普及
・記録や要約、検索を中心とした単純作業を自動化できる
・人的コストの削減や生産性の向上
・人で不足という課題を解決できる

【小売・サービス業の変化】

Corona Pandemicの3年間小売・サービス業も大きな影響を受け、また変革を迫られました。飲食店では店舗では来店客は減少し、売上げの激減に見舞われました。食事の宅配に活路を活路を求め結果的に繁盛した業者が出た半面、アルバイトの解雇が社会問題化し大学では融資制度を導入したところもありました。「子供食堂」を倣って「学生無料食堂」も‥。地域電気店など訪問販売を主とする業者は消費者からの「来訪辞退」に悩まされたものです。
◇セルフレジ併設からセルフオンリー店舗も‥
・コンビニで対面レジ+セルフレジ併用の拡大
・コンビニ以外の他業種・業態小売業(ユニクロ、百均等)へのセルフレジの拡大
・セルフレジレジオンリーのコンビニが登場(試行)
◇BtoCのNet通販が続伸
・新型Corona感染防止のためにNet通販の活用
・店舗小売業者の売上高を侵食
・高齢者もNet通販での購入拡大
◇中古品の流通も拡大(CtoC取引)
・消費者の「所有」から「使用」「利用」の志向の強まり
・フリママーケット等CtoCのnet通販の拡大
・ブランド品、高価金属等で有店舗買取り・販売店舗も増加
◇「シェア」「サブスク」という言葉が一般化
・「ルームシェア」「カーシェア」という言葉が日常用語化
・「サブスク」(「サブスクリプション」の略)業態の登場・増加
◇ロボット・ドローンの活用の試行
・背景に労働力不足(主としてアルバイト)と人件費の高騰
・レストランで注文を受けた食品をロボットがテーブルへ‥
・宅配業がドローン配送の試行

【家電業界の変化】

新型Corona感染症の流行は家電業界にも大きな影響をもたらしました。この間にはBtoB Net通販が大きく伸びました。またすでに生産拠点を海外に移していた家電メーカーは、現地での流行拡大によるサプライチェーンの乱れで一時的とはいえ商品不足が深刻化、「売れても商品がない」という事態に直面しました。その後は原材料と物流経費の高騰、さらに円安も加わり「価格改定(値上げ)」も余儀なくされました。この間にも高齢化が進み、また世帯人員の減少が続きました。
◇価格改定(小売価格の値上げ)の実施
・特に売上構成が高い大型商品
・要因は原材料、輸送費の値上がりと円安の進行
・事前の「値上がり特需」は非発生
◇家電業界にも新型Coronaの影響
・サプライチェーンの乱れによる品不足・品切れの発生
・地域家電店は顧客の「来訪辞退」で苦悩(現在は消滅)
・家電量販店はリモートワーク(在宅勤務)進展で「ミニ特需」の恩恵
・BtoC net通販の売上げ構成比の上昇
◇「価格改定効果」(単価上昇による売り上げ拡大)が半減・消滅
・五月雨(さみだれ)的値上げのため「値上げ(前)特需」は発生せず
・大型商品の出荷金額(出荷台数×出荷台数)は減少傾向
・世帯数は増加の半面、世帯人員減少の影響
◇発生しなかった「デジタルテレビ特需」時の買替え
・年間400~500万台にと「アナログテレビ時代」に比較すると半減
・若年層の「テレビ(放送)離れ」の影響
・一般家庭の空き室(テレビなしの部屋)の増加