商品キャンペーンの推進で「保有情報」を収集する

第Ⅴ章 後継者が行う増販・増客活動❸
<DBMのための顧客データの充実③>

ある有力地域店(グループ)では2ヶ月を単位に大型商品1商品を重点商品に選び商品キャンペーンを展開しています。1ヶ月目を情報収集月間、2ヶ月目を重点推進月間というのが基本的なフローです。当初は1ヶ月目には前の重点商品を推進しながら次の重点商品の情報収集、2ヶ月目は今の重点商品の推進を進めながら次の商品の情報収集という形になっていました。この試みは「他の業務処理もあり、2商品の並行推進は無理」という意見もあり2ヶ月間・1商品に変更されました。

年間を通じては、エアコンが中心になる夏商戦最盛期の2ヶ月間(7・8月)は除外し、また年末2ヶ月間(11・12月)も多商品が売れるということからキャンペーン商品の設定はありません(年間4重点商品)。キャンペーンの実績カウントは2ヶ月を単位で行います。1ヶ月目から好調な売上台数を稼ぐメンバー、1ヶ月目は少なくても2ヶ月目に大きな成果を上げるメンバー、メンバーごとの売上台数の変化を見ると面白い傾向が見られます。

1ヶ月目の早い時期に手持ちの見込み客に対して1~2台の実売、これはメンバー間でほぼ共通しています。「いま買うと〇〇のメリットがある」と購入提案、キャンペーン商品の最低台数を確保します。その後は1ヶ月目から順調に売上台数を伸ばすメンバー、反対に1ヶ月目は売上があまり伸びないメンバー、大きくふたつに分かれます。どちらが最終実績をより多く挙げるか。1ヶ月から情報収集と商品提案を同時推進するメンバー、1ヶ月目は情報収集に徹し2ヶ月目にその情報に基づいて実売活動に注力するメンバー、進め方によるメンバー間での実績に大きな差はありませんでした(メンバー店の人員数では実績差が発生)。

何が実績を左右したかは、2ヶ月間のトータルの情報収集件数(見込みづくりを含む)と提案件数ということでした。そしてこの活動を繰り返すことで他店から購入した大型商品の「保有情報の追加収集・補充」を大きく進みました。また実績予測も正確性が向上するといった効果も出ています。

 

(次回に続く)